選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案が今国会で成立する見通しとなった。共産、社民両党を除く与野党各党が共同で来週にも衆院に法案を提出する。改正法は公布から1年後に施行され、来年夏の参院選など最初に実施される国政選挙から適用される見通しだ。その後、知事選などの地方選挙に順次導入される。
選挙権年齢の引き下げが実現すれば、1945年に「25歳以上」を現行の「20歳以上」に変えて以来、約70年ぶりの変更となる。
民主党が17日の「次の内閣」会合で改正案を了承し、制度改正に賛成する各党がすべて党内手続きを終えた。3月にも衆院政治倫理・選挙制度特別委員会で審議入りし、6月24日の会期末までの成立に各党が協力する。
安倍晋三首相は17日の参院本会議で「若者の声が政治に反映されることは大変意義がある」と述べ、今国会での成立に期待感を示した。早期の衆院解散がなければ、来年夏の参院選から18~19歳の新たな有権者約240万人が投票に加わる。
改正案は18歳以上の未成年者の選挙違反に関して、連座制の適用対象となる買収など重大犯罪の場合は成人と同様に処罰対象とすることを明記する。民法上の成人年齢の20歳からの引き下げは、今後の検討課題と位置付けている。
各党は諸外国の多くで選挙権が18歳以上に認められている状況を考慮し、制度改正によって若い世代の民意を国政に反映させるべきだと判断した。一方、若年層の投票率向上を目指し、高校生や大学生らの選挙への積極参加に向けた啓発活動が今後の課題となる。
憲法改正の手続きを定める国民投票法は20歳以上の投票権を2018年に18歳以上に引き下げるとしつつ、公選法改正で選挙権年齢などが下がれば適用を前倒しすると規定している。各党は昨年秋の臨時国会に公選法改正案を提出したが、衆院解散のあおりで廃案となっていた。
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